狙撃手に同行して様々なサポートを行うのが「観測手」だ。軍隊では、基本的に狙撃手と観測手が共に行動している。
観測手は、その名の通り狙撃ポイントからターゲットまでの距離や風速、風向きを観測し、狙撃手へとフィードバックする。それらのデータがあるからこそ、狙撃手は高度かつ精密な射撃ができるのだ。
その他にも周囲の状況確認や上官との通信も担当しており、観測手の同行によって狙撃手の負担はかなり軽減される。なお、狙撃の経験者が観測手を務めることが多い。

映画でも、狙撃手であるマシューズのとなりで、着弾観測スコープを用いて目標地点を索敵するアイザックが描かれている。

通信機を備えていたのは観測手だからこそ。しかしイラクのスナイパー「ジューバ」から銃撃をうけ孤立した際に、頼みの通信機が故障してしまう。

長距離の精密射撃を行う「狙撃手」は、特別な訓練を受けたスペシャリストだ。彼らが放つ1発の弾は、命を救い、味方を有利に導き、時には大局を動かすことすらあった。失敗が許されない任務も多く、たった1発を放つために長時間にわたってじっと潜み、ターゲットを追跡し、機会を狙う。
狙撃手の最大最強のターゲット、それは敵対勢力の狙撃手だ。最恐の狙撃手ジューバに対抗しうるマシューズが倒れたその瞬間から、アイザックは圧倒的不利に追い込まれたといっても過言ではないだろう。

観測手であるアイザックの情報を待つマシューズ。狙撃手にとって観測手は、狙撃の際に無防備になる自分を守る頼もしい存在でもある。

地面にふせて狙うプローン（伏射）は、もっとも安定した射撃姿勢だ。さらにライフルをバイポッドで支えることで、構えを安定させている。